うらうら昔話「むにゅ太郎」第1話


そんな昔でない話、フランスのセーヌ川のほとりに、おじいさんとおばあさんが住んでました。

ある日、おじいさんは古くからの友人に会いにでかけたので、おばあさんは家事にいそしんでいました。
家事も終わったので、散歩がてら橋の上からセーヌ川のせせらぎを眺めていると、
川の上流から、どんぶらこっこ、どんぶらこっこと「四角い家」が流れてきました。
そして、窓から「助けて〜♪」と叫んでいる青年がいました。
…「たかお」でした…。
おったまげたおばあさんは、橋の上から手を伸ばし、たかおを救出しました。
しかし、助けはしたものの、たかおくんのパパとママは流されていってしまったので、
たかおくんを一人ぼっちにしておくこともできません。
仕方がないので、家につれて帰ることにしました。
たかおくんは、状況に気づいているのかいないのか、「わぁ〜ぃ♪わぁ〜ぃ♪」と喜んでいました。
家に帰ったおばあさんは、おじいさんを驚かそうと、たかおを洗濯機のなかに隠しました。

すると、おじいさんは飲んだくれて朝まで帰ってきませんでした。
おばあさんはたかおくんを洗濯機の中に入れたことも忘れ、いつのまにか寝てしまっていました。
翌日、おじいさんは酔いつぶれて寝ているので、おばあさんは、部屋の掃除をし、洗濯をしました。
ところが洗濯物を干そうと、洗濯物を洗濯機からだそうとすると、
そこには洗濯物でぐるぐるに巻かれたたかおくんがいました。
そうです、おばあさんはたかおくんを洗濯機に閉じ込めたことをすっかり忘れていたのです。
洗濯されたたかおくんは、心なしか少しやつれ、白くなっていました。(´д`)

そこに、起きてきたおじいさん、たかおくんを見てこういいました。
「むにゅ太郎じゃああああぁぁぁぁ〜〜〜〜っ!!!」
二日酔いのおじいさんに逆らうと怖いことをしってるおばあさんは
「あら、ほんと、むにゅ太郎だわ」と話をあわせました。
こうして、たかおくんはたかおという名前があるにもかかわらず、むにゅ太郎になってしまいました。

(…つづく…のか…?)

※…この物語はフィクションであり、実在するたかおとは何の関係もありません。


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